兵庫県教育委員会主催 アルミTIG講習
兵庫県教育委員会主催による
先端機器導入に伴う「ひょうご匠の技」探求事業
「拠点工業高校によるものづくり技術・技能習得事業」に関わる教員対象研修会(機械系分野)
【第4回技能研修会(溶接技術)】
兵庫県立武庫荘総合高等学校の溶接担当教諭と、我々近畿溶接組合にてコラボで溶接研修会を12/6に開催して参りました。
(更新遅くてすみません!
参加資格は、県下高等学校で工業に関する科目を担当する教諭、臨時講師、実習助手ということですが…
要は、工業高校の先生向けに研修会行いましょー!ってことですね。(をぃ言い方!笑
内容はというと、タイトル通りになりますがTIG溶接…その中でも、先生方にとってはあまり経験が無いと思われる交流TIGを使ったアルミの溶接を勉強、実習してみましょうといったもの。
受講者は、20人overの方々から申込みがあったようですが機器の台数上、今回は14名の参加にて研修スタート。
午前中は基礎編として、座学にて直流TIGと交流TIGの違いから、アルミ溶接におけるクリーニング作用の説明、タングステンの選択など基礎的な知識を学んで頂き、基礎実習としては機器の取扱い(プリフロー・初期電流・アップスロープ・本電流・ダウンスロープ・クレータ電流・アフターフローの設定)からはじまり、デフォルトのTIGトーチの持ち方を覚えて頂くことから開始。
更に、交流TIGでのビードオンプレートを中心に右手と左手のバランスを取りながら溶接を進行していくことを練習して頂きました。
TIG溶接にあまり馴染みのない方ですと…
『右手で動かしているアークで、左手の溶加棒をやっつけてしまう(溶かしてしまう)』
これ、やっちゃうんですよねー。
『アークは母材を溶かす、溶加棒はプール(溶融池)へ入れる。』
この法則がわっかんないと、TIGは交流直流限らずダメダメですよー!なんて言いながら、ひたすらビード練習。
アルミ溶接はリズム良く溶接できると非常に綺麗なビードが出来て、気持ちいいですね。
さて、午後の部に関しては立方体の作成という課題にて、各材料をタック溶接してから本溶接という流れにてサイコロ状のカド溶接をメインに練習をして頂きました。
この辺りになってくると、こういった声がよく聞こえてくるものです。
『ぎゃー!!!(ビードの)後半になるとグチャグチャなるー!!!』
定番ですねー、いいよいいよー。
アルミ溶接の経験がある方からすれば、『そだねー(流行語大賞)』っちゅーやつですね。
アルミ溶接のポイントは、上記のTIG溶接におけるアーク・プール・溶加棒の関係と共に
・アルミの酸化被膜は、融点クソたけーー!!
・アルミっちゅーのは、熱伝導率クソたけーー!!
この2点だけ覚えておけば、ほとんどの人ができるんじゃないですかね?(テキトー
ということで、このアルミ独特の溶け方を体感できるようなお手頃サイズの立方体を選択しているのは結構なファインプレーだったりする訳です。
(今回の研修でタッグ組ませて頂いた我が師匠のひとりである武庫荘総合高校の※※先生、さすがです!)
そんなこんなで9:30スタートから最終は16:00頃まで先生方と溶接を通じて戯れさせて頂きました。
結果としては、各工業高校の先生方がアルミTIGをほとんどやったことのない状態から、最終的には抵抗のないレベルまで引き上げることには成功したのではないかなという研修会になりました。
勿論、今回丸1日練習したからといって完全にすべてを理解できた!と言える訳ではありませんが。
あとは、各工業高校のどこかに眠っているであろう…笑
TIG溶接機を引っ張り出してきて、今後生徒さんへの授業や校内でのモノ作り実習の中で活躍させてくれることを祈るばかりです。
最後になりましたが…
細やかなカリキュラムとスケジュール管理、そして非常に素晴らしい溶接実習室と美しい冶具の数々を用意して下さった武庫荘総合高校の先生方に感謝いたします。
ありがとうございました!
※※先生!!私達の組合で使う分のホルダー掛けは作ってないんですか?
私達のところ、3つあれば十分なんですが~笑